スターリンの葬送狂騒曲をみてきました。
とても面白い映画でした。
スターリンの死後だれが権力を握るかのある程度史実にもとづいた映画です。
もちろんフィクションな部分もありますがスターリンが倒れたときに小便まみれになっていたことや、夜遅くまで側近たちを酔わせて、本音を聞きだそうとするなど史実に忠実な部分が多いです。
ロシアではこの映画は上映禁止になったそうです。
ソ連の幹部をかなりおちょくっているといえばおちょくっていると思います。
監督はあえて面白くしようと思っていないと言っています。
登場人物たちはみんな大真面目にやっているのですが、それがはたからみているととても滑稽です。
官僚組織だとあるあるなこともあります。
もちろん映画なのでオーバーに表現されていることもあるでしょう。
映画を見終わった後、いろいろ考えさせられる映画でした。
例えば減点主義の組織では間違いを恐れます。
予告編にもありますが、スターリンが倒れても、余計なことをしないために扉の前の守衛たちは見に行きません。
若者は指示待ちが多いとか大企業のおじさんたちはいいそうですが、指示以外のことをすると起こられたら若者も指示以外のことをやらないと思います。
このシーンだけでも管理社会の息苦しさを物語っていると思います。
他にも権力闘争のむなしさを感じました。
結局いろいろなごたごたが起こりますが、最終的には誰も幸せにならないというか、なんとなく脱力しました。
関連のwikipediaもあさりました。スターリンの後はフルシチョフになります。
マレンコフなどフルシチョフに支持したグループはその後フルシチョフ派と対立します。
それが反党グループ事件というものです。
ソ連の権力闘争の激しさを物語っていると思います。
マレンコフは結局その後長生きします。1988年までいきているのですからだいぶ長生きです。
映画の中では人がどんどん殺されていきます。それを生き抜いたというのはそれだけですごいと思います。
今の北朝鮮もこんな感じなのかと想像します。
私が日本に生きていてよかったと思います。会社の権力闘争もありますが、命までは取られないので。
あまりデートとかには向かない映画かもしれません。正直誰かと見に行くなら相手を選ぶと思います。ただ面白い映画であることは間違いないです。これをみて関連する歴史を調べると面白いかもしれません。